Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しほんたいへいき

私本太平記(五)

吉川 英治

Lisez 私本太平記(五) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 252 330 caractères · 505 écrans

Aozora Bunko

「ならば、黒沼の身柄は、そちの手に預けてくれる。どうにでもいたせ」

「これは、お情けな」

「晴れの門立ちだ。縁類を悲しめてここを出たくない。出雲介の首だけを辻に梟けて、領民どもへ見せてやれ」

「こころえました」

「大館(宗氏)、大館」

「はっ」

「儂の奥方や女子供は」

「仰せつけのとおり、せがれ氏明、氏兼がお供をして、遠くの山へおかくし申しあげました」

「一族各※(二の字点、1-2-22)の女たちも」

「は。みなひとつに」

「よし、それで足手まといもまず安心ぞ。義助(脇屋)、貝を吹け。はやほかの一族ばらは、生品明神で待ちかねていよう。いざ、わしたちもここを出よう」

生品明神は、東山道に沿う道ばたの小社で、世良田ノ館からほぼ二里、方角は、北にあたる。

だが、鎌倉は真南だ。

一路、南進すべきはずの新田軍が、そのかど出になぜ北方へ逆行したのか。旗上げ場所を、生品明神の社頭としたのか。

理由はいくつもあったであろうが、鎌倉がたの代官がいる群馬郷の国府(現・前橋市と高崎市の中間、元総社と呼ぶ地)をうしろに、それを措いて南進するのは無謀であり、危険と考えられたことも一つにちがいない。