Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しほんたいへいき

私本太平記(五)

吉川 英治

Lisez 私本太平記(五) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 252 330 caractères · 505 écrans

Aozora Bunko

紫の一本

中黒の軍旗の下は、こうして越後同族を合流し、その日から一やく、四千騎ぢかい奔流となっていた。

もっとも、それが南下してきた道すじの児玉郡や比企地方は、古来“武蔵七党”の山野であり、熊谷、秩父などの無数の古源氏が蟠踞しているところである。――だから越後兵以外、奥武蔵の郷武者ばらも馳せ参じて、

「お味方に」

と、多少は傘下へ来ていたろうと思われる。

だが、義貞の腹づもりにしてみると、

「それにしては?」

と、参加者の数になお不足だったに相違ない。そして、武蔵野一帯から、多摩、秩父の山波にもひそまっている不気味な古源氏の武族が、

「いったい、敵にまわるものか。中立の腹か?」

と、その出方に、たえまなき警戒を持ちながら、進路を南へしていたのだった。

そして、十一日の昼。

女影ヶ原――いまの川越市の西北方面――まで進んでくると、とつぜん、前哨隊の騎兵が、

「やっ、敵がみえる」

「追ッかけろ。敵の物見か」

と、はや彼方の丘陵へむかって数十騎は突撃していた。

黄色い花山吹の花粉のような埃りが夏草の上をながれた。行々子の啼き声がハタとやんだのをみると、その前方には高麗川のわかれが、道を遮っていたのだろう。