Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しほんたいへいき

私本太平記(五)

吉川 英治

Lisez 私本太平記(五) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 252 330 caractères · 505 écrans

Aozora Bunko

わが枕べに笑ひどよめく……

薙刀の光芒を描きながら、身をかろがろと躍らして舞う。自身を天狗に擬して、舞と薙刀の妙を、妖しいばかり描き尽くす。

これは、ひと頃、鎌倉の辻で、童謡にまで流行った“天王寺の妖霊星……”を、誰かが改作したものらしく、高時は思うこと、言いたいことを、即興的に加えて、酒間、酔うとよく、謡い踊っていたものだった。

火の雨、鬨の声、めくら撃ちの矢かぜ。――それなのに、ここの真っ暗な無反応の真空帯。

……敵も、狐疑してか、急には近づかず、ただ遠巻きの潮を、また山鳴りを、谺にしていた。

……と。突然。

高時の舞に合わせて、鼓を打つ者があった。また謡を唱和し、鈴を振り、銅拍子を鳴らす大勢の者があった。

いつのまにか、東勝寺の楽殿の楽器を持ってきて、高時の陣座のうしろに、一ト屯を作っていた諸職の雑人――あの笛師、太鼓打ち、仏師、鋳物師、塗師、仮面打ち、染革師などの工匠や遊芸人たちだった。

「やあ、おのれらは、まだそこにいたのか」

「ご執権さまには、淋しいのがお嫌い。また常にお孤独がお嫌いでした。みなして、さいごのお相手を勤めさせていただこうぞと、申し合せて、これにひかえておりました」