Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しほんたいへいき

私本太平記(五)

吉川 英治

Lisez 私本太平記(五) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 252 330 caractères · 505 écrans

Aozora Bunko

彼女らは、ペチャクチャと、その帰り途で囀り合った。

「費えるのかしら」

「お座興さ。どうせ費えやしないわよ」

「癪ね」

「だから嫌いさ。お公卿だの、大名づらは」

「このごろの御大身と来たら、やくざが錦を着たようなものさ。どうせ婆娑羅者なら、笏も刀も持たない素の無頼漢のほうが、いっそどれほど可愛いか知れないじゃないの」

「おのろけだよ、このひとは」

「そうよ、こんな楮幣なんかも、あのひとに遣っちまおう……と」

「たれが貰うもんかね。博奕場だって、こんな紙きれは通用しないにきまってるわよ」

「ち、いまいましい。溝川へ打ッちゃってしまおうかしら」

「ま、お待ちよ」

ひとりが止めた。

「まさか、佐々木道誉ともいわれるほどなお人がさ。わたしたちをだましもしまい。みんなで、これを持って、あした佐女牛のおやしきへ行ってみようじゃないの。ほんとに、私たちの欲しい物と換えてくれるかどうか」

もとよりその約束は、道誉が思うところがあっての計画だった。彼は、次の日、家臣に命じて、倉の内から、女の欲しがりそうな物を種々取り出させて、宮中の后町で開かれる“女御ノ市”みたいに、通用門の内に棚をならべて彼女らを待ちうけていた。