Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちくはくき

竹柏記

山本 周五郎

Lisez 竹柏記 (ちくはくき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 45 798 caractères · 91 écrans

Aozora Bunko

こうして同じ役所に勤めている関係から、八束と親しくなったのであるが、八束は笠井にも遠縁に当るので、噂は以前から聞いていた。

俊才という言葉が、そのまま当篏るように極めて才はじけ、孝之助などからみると、びっくりするほど世故に長けた性質で、

――彼には宰相の実力がある。

と評されていた。

職位が殆んど世襲になっていた時代のことで、岡村くらいの身分の者に「宰相」の評がつくというのは異例である。孝之助にはそのままに信じられなかった。自分が「律義之助」といわれるくらい、じみで慎重な性分のせいか、八束の俊敏な才があざやかな綱渡りを見るような、不安定な、危険なものに思われた。

その予感が当った、ともいえようか、或る御用商人とのあいだに、汚職の事実があるのを、ついさきごろ、ふとした機会に孝之助が発見した。

現銀を扱う役目だし、まだ若いことではあるし、あやまち程度なら同情してもいいかもしれない。が、八束のばあいは、手のこんだからくりがしてあり、うっかりすると、他の責任になり兼ねないような、方法がとってあった。孝之助は八束に注意した。

――まだ誰も知らないから、いまのうちに始末をするがいい。