Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちくはくき

竹柏記

山本 周五郎

Lisez 竹柏記 (ちくはくき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 45 798 caractères · 91 écrans

Aozora Bunko

二の一

八束はなま欠伸をしながら、人をばかにしたような口ぶりでそう云った。孝之助は黙ってそう云う彼の顔を見ていた。

「用事というのはそれだけか」

やがて孝之助が云った。

「さあ、今のところはね」と八束が答えた、「――あとはまた、おいおいの相談にしよう」

孝之助は刀を持って立った。

彼の想像したことと、この場の事実とは、あまりに違っていた。違いすぎていた。この汚れた、泥まみれの、いやらしい空気は、とうてい耐えることのできないものである。孝之助は黙ってふり返り、出てゆこうとして襖をあけた。

すると、そこの廊下に三人卑しい風態の男が、道を塞ぐように、立ちはだかっていた。そして、その一人は、持っている長脇差の柄に、手をかけながら云った。

「どうぞお静かになすって下さい、いま酒がまいります」

二の一

孝之助はそのとき怯んだ。

恐怖とはいわないまでも、暴力に対する本能的な恐れで、一瞬、足が竦んだ。それは事実であった、彼はたしかに怯んだ。(むろんそのばあい、そういう男たちに対して、自分が平然としていられなかったことを、彼は恥じようとは思わないが)しかし、それでうろたえはしなかった。