Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 130 082 caractères · 257 écrans

Aozora Bunko

平次は妙に割切れない心持で明神下の自分の家へ帰って来ました。

黒雲五人男と、山之助お比奈兄妹は、何んかしら重大な繋がりがあるようですが、兄の山之助は、脅え切った姿で平次のところに泊り込んでおり、妹のお比奈は病人の介抱に隙も無い有様では、黒雲五人男と、この二人の間には、さしたる連繋があろうとも思えません。

「あの、ちょいと」

平次は、路地に入ろうとした足を停めました。耳に馴れた快よい響きが、思いも寄らぬ場所で平次を呼止めたのです。

「何んだお前か」

建物の袖の蔭から、ソッと出て来たのは、平次の恋女房のお静だったのです。曾ては両国の水茶屋で、美しさと清らかさを謳われた茶汲女でしたが、フトしたことから平次と親しくなって、散々苦労をした末に一緒になった二人です。

でも、平次と一緒になってからのお静は見事でした。夫の平次と自分の生活を、少しでも豊かにすることばかり考えて、貧しさの中に精一杯のつつましやかな努力を続けて居るのです。その内気で出しゃ張りの無いお静が、自分の家の路地の外に、平次の帰りを待って居るというのは、容易のことではありません。

「何があったんだ」