Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 157 440 caractères · 313 écrans
お銀はそういった自分が恥かしくなったか、袖塀風の蔭で忍び笑いするのでした。
「そいつは豪気だ。俺や八五郎だって、四斗俵は持てそうもないぜ」
「あれは力じゃなくてコツですよ、――そのうち年頃になると、幸い片輪でも鼻ッ欠けでもなかったので、諸方から縁談の口が来ました」
「ちょいと、お銀さんはそれがご自慢よ。村一番の庄屋の若旦那まで振り飛ばしたってね。自分さえその気になれば、大名のお妾にだってなれないことはなかったんですって、随分背負っているでしょう」
お楽は四方かまわずまくし立てます。
百姓娘になりきったお銀は、望まれて江戸へ嫁入りしましたが、その時もらった支度金の百両は里親がそっくり取り込んで懐ろを肥やし、お銀にあてがわれたのは、婿という名前も恥ずかしいような孫が三人もあるという、五十三歳の大禿茶びんでした。
「一年の間辛抱したとは、たいした難行苦行じゃありませんか」
お銀のいう言葉を引ったくるように、
「お銀さんは、こんなに若くてきれいなんだもの、人身御供に上げっ放しじゃ可哀想ね。私が友達がいに、散々突ッついて飛び出さしたのは、悪かったでしょうか、銭形の親分さん」