Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 157 440 caractères · 313 écrans
六人斑男
第一人目磔
六人斑男
第一人目磔
「親分、良い心持じゃありませんか。腹は一ぺえだし、酔い心地も申し分なし、陽気が春で、女の子が大騒ぎをすると来ちゃ――」
ガラッ八の八五郎は、長んがい顔を撫でて、舌嘗ずりしながら、銭形平次の後に追いすがるのでした。
与力筆頭笹野新三郎の心祝いの小宴に招かれて、たらふく飲んだ八丁堀の帰り、二人は八つ小路を昌平橋へ――、筋違御門を右に見て歩いておりました。
「それでお小遣がふんだんにありゃ申し分がなかろう。もっとも、女の子が大騒ぎするというのは、当てにならないが――」
「見くびったものじゃありませんよ、親分。近ごろうっかり明神下を通ると、色文が降るようでヘッヘッ」
「とんだ助六だ、――もっとも八を見かけて吠えつくのは、角の酒屋の牝犬ばかりじゃないんだってね。叔母さんは意見をしたがるし、菜飯屋のおかみは去年の掛けをうるさく言うし、煮売屋のお勘子は――」
「もう沢山、そんないやなんじゃありませんよ。この節あっしと親しくなったのは、金沢町の近江屋半兵衛の姪お栄――」
「おや、大層な玉を狙やがったな。あれはお前ピカピカする新造だぜ」
「それがすっかり打ち解けちゃってね。