Classiques japonais avec furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lisez おばけの正体 (おばけのしょうたい) de 井上 円了 (いのうええんりょう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 74 925 caractères · 145 écrans
第一三項 蠅よけ玉の怪
もし、このニの点に至りそこに顔をつけて見ると、ホのランプの光が見ゆる。すなわち、ホ点のランプの光が書斎のガラス窓をとおし、ロの廊下の縁の下をくぐりて二点に落ちたるために、白く見ゆるに至ったのである。そのときに、ロの廊下の左壁の下に五、六寸の間、壁土が落ちて穴があいておった。右の次第にて、即夜に妖怪の正体を見破ることができた。
余の自宅の略図の図
第一三項 蠅よけ玉の怪
十五、六年前の『読売新聞』に見えた記事のように記憶しておるが、ある人の茶話中に、己の妖怪と思って驚いた実例を述べてあった。その人はある年の夏逗子に出かけ、一人にて荒れ果てたる農家の座敷を借りていたそうだ。その家は寺と境を接し、一面に墓所と竹藪に取り囲まれて、白昼でもさびしいほどである。一夜、月明に対し一酌を傾け、戸も開け放しのまま寝込んでしまい、真夜中に目が覚めて四隣を見渡せば、月は雲間に隠れ、風はサワサワと草木を響かせ、なんとなく気味悪き心地する所、ランプは消え室内は暗黒なるに、枕上より二間ばかり離れて、ピカリピカリと光るものが見ゆる。しばらくにらみつけていたる後、これこそ怪物なりと思い、急に枕を取って投げ付けると、カラカラと音がして転げ出したものがある。