Classiques japonais avec furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lisez おばけの正体 (おばけのしょうたい) de 井上 円了 (いのうええんりょう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 74 925 caractères · 145 écrans
第三五項 無縁仏の涙雨
と呼びかけて驚かし、十時後になって通行なきようになれば、コッソリ洞中より出でて自宅に帰り、知らぬ顔して寝てしまう。しかしてその発覚したのは、ある夜当人、洞の中にて眠り込んで、自宅に帰ることを忘れ、目をさましてみれば、夜明けになっていた。そこで、ウッカリ出ると人に見つけらるるから、ドウしようかとタバコを吸いながら考えていたあたかもそのとき、境内を掃除している社僕が、神木の洞中より煙の上がるを認め、これは大変である、あの大切の木が焼けている、すぐに大手桶に水をくんでその洞口へ注ぎ込んだ。そうすると、樹の中にいるものはビックリして飛び出てきたので、はじめて化け物の正体が分かったという話を信州客中に聞いた。
第三五項 無縁仏の涙雨
先年発行の『都新聞』の雑報欄内に、左の一項を掲げてあった。
府下南千住町の法華庵は、昔の刑場なる小塚原通りにて、境内および近所には、千人塚、無縁仏など、囚人の亡魂を祭りし墳墓あり。黐、樫、その他の雑木生い茂りて、すこぶる薄さびしき所なるが、四、五日前より天気快晴なるにもかかわらず、この境内の樹木より、ポツリポツリと雨雫が落ちきたるを近所の者が認め、「不思議だ、不思議だ」