Classiques japonais avec furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lisez おばけの正体 (おばけのしょうたい) de 井上 円了 (いのうええんりょう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 74 925 caractères · 145 écrans
村民こぞって山狩りをして、ついにこの猿を射殺したことがあるというので、今度も猿の悪戯ではあるまいかと種々研究してみたが、いかに注意しても、怪異のあるときとその前後に、猿らしい姿さえ認め得たものもない。
ところが、怪異は夏を過ぎ秋となっても継続して、ことに人語を鋭敏に聞き分けて、化け物の悪口でもいえば不思議は一層激しくなるので、評判はいよいよ高くなるばかりであるから、所轄の須賀川警察署長もすててはおけず、同家に出張して一夜研究に夜を明かしたが、この夜もやはり署長のおる座敷へバラバラと二回ほど木の実を降らしたが、その正体はついに発見されなんだ。こんな始末で、同家の家人の心痛はひととおりでなく、神の祟であろうかと加持祈祷に手を尽くしたが、それも一向効顕がなく、怪異は相変わらず継続するので、主人の荘八はそれがために、いたく神経を悩まして病臥する仕儀となった。
そこで同村の渡辺某がすこぶる同家に同情を表して、この上は井上円了博士の研究を煩わすより道はあるまいと、旧臘ことの次第を詳細博士のもとへ書き送りて、博士の出張を求めてきたが、博士は、前例によれば家人の内にこの妖怪が潜んでおるのであろうと鑑定して、まず家族一同の年齢とその性質を報道するように返事をした。