Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

へちまのき

へちまの木

山本 周五郎

Lisez へちまの木 (へちまのき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 120 caractères · 58 écrans

Aozora Bunko

「源さんとはとしが違うからな」木内は顔をくしゃくしゃにし、口だけは負けずにやり返す、「――そのうちにだんだん勉強するつもりだけれど、そんなに変った女がいたら教えてもらいてえな」

「おらあ三十五のとしから女は断ってるんだ」と源さんは版木に向かいながら云った、「しかし女ってやつは一人として似た者はいなかった、顔かたちはもちろん、あのほうの好みだって、からだのぐあいだって、声の出しかただって、みんなそれぞれに違うんだ、おまえさんの書く物は引写しで、生きた女は一人も出ちゃあこねえ、これじゃあいくら安手のわ印だって売れやあしねえぜ」

「三十五から女を断ったって、どうしてだい源さん」木内は筆を動かしながら、それとなく話を変えた、「なにかいわくがありそうじゃねえか」

「弁慶は一遍きりで女を断った、っていう話を聞いたこたあねえかい」

「おらあ源さんのことを聞いてるんだ」

「てめえのざんげ話をするほどぼけちゃあいねえよ」

裏座敷の喧嘩はおさまったらしく、おそでの鼻にかかった、あまだるいような呻き声が、とぎれとぎれに聞えてきた。まもなく木谷桜所があらわれ、品のいい声と身ぶりで、一と綴りの記事を木内桜谷に渡し、いい瓦版になりますよと云って、いかにも品のいい身ぶりで去っていった。