Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
へちまのき
へちまの木
山本 周五郎
Lisez へちまの木 (へちまのき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 120 caractères · 58 écrans
おるいは掛け夜具を直して云った、「そうすればまた元気が出ますよ」
房二郎はすぐに眠った。ほんのちょっと眠ったような気持だったが、人の話し声を聞いて眼をさますと、行燈に火がはいってい、その脇の膳に向かって、木内桜谷が酒を飲んでいた。房二郎が声をかけると、木内はよく動く眼を細め、顔をくしゃくしゃにして笑った。
「朝このうちから使いが来たんでね、どんなようすか見に寄ったんだ」
「そんな心配はいらなかったのに」
「ゆうべがゆうべだからな」
「というと、――なにかあったのかい」
「忘れちまったのか」と木内はうまそうに酒を啜って云った、「今月から手当をきめてくれって、ちょび髭に談じ込んだんだよ」
ああと云って、房二郎は顔をしかめた。ちょび髭との問答を思いだしたのである。雇われてから約四十日、見習いということで、これまで一銭の手当もなかった。桜田小路の家から持って来た金も残り少なくなったので、思いきって文華に申込んだ。房二郎より三寸以上も背丈の低い文華は、ちょび髭を撫でながら、幾たびも咳をした。
――手当や手当やいうても、こっちゃもしょうばいやよってにな、と文華は例のきまり文句を云った、本当はな、記事屋というものは、店から手当を貰うより、記事のたねを金にするものときまったもんやがな。