Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
パンドラのはこ
パンドラの匣
Lisez パンドラの匣 (パンドラのはこ) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 192 644 caractères · 386 écrans
「それでは、一番のおかた、どうぞ。」
いよいよ、はじまるのだ。一番は、女のひとであった。婆さんに連れられて、しょんぼり中へはいって行った。生気のない事おびただしい。研究所の内部は、二部屋にわかれているらしい。一つは事務所で、その奥が稽古場になっているようだ。試験は、その稽古場で行われる様子である。
聞える、聞える。戯曲の朗読だ。しめた! 桜の園だ。なんて、まがいいんでしょう。前から僕は、桜の園の朗読は得意だったし、ゆうべもちょっと練習したじゃないか。もう、大丈夫。どこからでも来い! と勇気百倍だったが、それにしても、あの女のひとの朗読は、なんて下手くそなんだろう。一本調子の棒読みだ。ところどころ躓いて、読み直したりしている。あれじゃ落第だ。大落第だ。可笑しくなって、ひとりでクスクス笑ったが、他の人たちは、にこりともせず、眠るが如くぼんやりしている。
「二ばんのおかた、どうぞ。」
もう一番のひとがすんだのかしら。早いなあ。筆記試験は無いのかしら。この次は僕だ。さすがに脚がふるえて来た。なんだか、病院にいるような気がして来た。これから大手術を受けなければならぬ。