Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Lisez パンドラの匣 (パンドラのはこ) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 192 644 caractères · 386 écrans

Aozora Bunko

4

」

そんな二人の会話を聞いて、僕はにこりともせず屈伸鍛錬を続けていたが、さすがに面白くなかった。僕がそんなにマア坊にきらわれていたのか。好かれているとは、もちろん思っていなかったが、こんなに僕ひとり憎まれてきらわれているとは思い及ばなかった。自分の地位を最低のところに置いたつもりでいても、まだまだ底には底があるものだ。人間は所詮、自己の幻影に酔って生きているものであろうか。現実は、きびしいと思った。いったい僕の、どこがいけないのだろう。こんど一つマア坊に、真面目に聞いてみようと思った。そうして、機会は、案外早くやって来た。

4

その日の四時すぎ、自然の時間に、僕はベッドに腰かけてぼんやり窓の外を眺めていたら、白衣に着かえたマア坊が、洗濯物を持ってひょいと庭に出て来た。僕は思わず立ち上り、窓から上半身乗り出して、

「マア坊。」と小さい声で呼んだ。

マア坊は振向き、僕を見つけて笑った。

「土産をくれないの?」と言ってみた。

マア坊は、すぐには答えず、四辺を素早く身廻した。誰か見ていないかと、あたりに気をくばるような具合いであった。道場は、いま安静の時間である。