Classiques japonais avec furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lisez パンドラの匣 (パンドラのはこ) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 192 644 caractères · 386 écrans
あこがれる志が、信頼して、努力して、
最高の願の所へ到着したとき、成就の扉の
開いているのを見た時は、こんなものだな。
その時その永遠なる底の深みから、強過ぎる、
焔が迸り出るので、己達は驚いて立ち止まる。
己達は命の松明に火を点そうと思ったのだが、
身は火の海に呑まれた。
なんと云う火だ!
この燃え立って取り巻くのは、愛か、憎か。
喜と悩とにおそろしく交る交る襲われて、
穉かった昔の羅衣に身を包もうとして、
又目を下界に向けるようになるのだ。
好いから日は己の背後の方に居れ。
己はあの岩の裂目から落ちて来る滝を、
次第に面白がって見ている。
一段又一段と落ちて来て、千の流になり
万の流になり、飛沫を
高く空中にあげている。
併しこの荒々しい水のすさびに根ざして、
七色の虹の、
常なき姿が、まあ、美しく空に横わっていること。
はっきりとしているかと思えば、すぐ又空に散って、
匂ある涼しい戦をあたりに漲らせている。
此の虹が、人間の努力の影だ。
あれを見て考えたら、前よりは好くわかるだろう。
人生は、彩られた影の上にある!
「うまい!」横沢氏は無邪気に褒めてくれた。「満点だ。二、三日中に通知する。」