Classiques japonais avec furigana
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ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
Lisez ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) de 永井 隆 (ながいたかし) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 107 351 caractères · 213 écrans
釘孔
亡妻のいとこたちが小屋を立てていたので、その中へ割り込ませてもらった。いとこたちは二世帯五人いた。そこへ私たちが四人入りこんだので九人になった。小屋のひろさは一坪あまり、すなわち四平方メートルだったから、夜寝るときには、ひらめを魚箱につめるように、みんな横向きになり、しかも頭足交互に並ばねばならなかった。となりの足のかかとのあかぎれが、ざらざらとほほをなでたりした。その感触は生き残った者同士の親しみをなまなましく覚えさせた。
釘孔
この小屋は丸太と板とトタンとかすがいと釘とでできていた。一メートル五十くらいの高さの石がきをそのまま支壁に利用し、丸太をかすがいで組み、それにトタンを打ちつけたものである。みんなそこらから拾い集めてきた焼け残りの物だった。板床の上に配給の固い毛布を敷き、入り口にだけは板戸をつけてあった。窓なしだから板戸を閉めれば暗く、明るくするために開けば寒かった。入り口は東に面していたから、それをあけて頭をいちじるしく下げてのぞくと、北と南とはトタン板、正面には石がきをそのまま見ることになる。石がきの穴には戦災証明書や、えんぴつなどがさしてあった。