Classiques japonais avec furigana
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ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
Lisez ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) de 永井 隆 (ながいたかし) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 107 351 caractères · 213 écrans
「ちょっと待て」私は呼びとめた。「むかし間抜けた男がいてね、牛を料理するのだと言って大きな牛を二階へかつぎ上げたんだ。ほうちょうが二階にあったんでなあ──」
誠一は何のことやら分からず、ぽかんと私を見つめていた。
「まだ分からんのかい?──ランドセルと名札と、どちらが重い?」
誠一はきまり悪げにランドセルを机の上に置いた。
「これは小さいことのようだが、実は大事な問題だよ。仕事というものは、ただ何でもかでもやりさえすればいいのじゃない。手を着ける前に、考えられるだけの方法を頭の中に並べてみて、いちばん能率のいいのを選ばねばならぬ」
誠一はうなずいてから隣へ行こうとした。
「待て、どうする気なのだ?」
「厚紙をもらってきて、ここで、ランドセルの名札入れの大きさに合わせます」
「ふん。──もらってきた厚紙が小さすぎたら……もう一度行かねばならぬね。大きすぎてもあまりを返しに行かねばなるまい。それが無駄足を踏むというものだ」
誠一は考えこんだ。やがて物差しを持って名札入れの寸法を測った。
誠一は寸法を頭の中に入れて隣へ行った。
その場に戸泉のおばさんが居合わせていたが、誠一がいなくなるのを待ちかねていたかのようにすぐ私に向かって、鋭い口調で言った。