Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

Lisez 不連続殺人事件 (ふれんぞくさつじんじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 047 caractères · 322 écrans

Aozora Bunko

カングリ警部はうなずいて、承諾の意を表した。

「じゃア、オレの腕をとるのも、よしたまえ。しばし、最後の自由を与えよ」そして、ピカ一は刑事の腕をふりはらい、一人ノッシノッシとテーブルを廻って歩いて行った。テーブル正面の巨勢博士のうしろを通るとき、軽く博士の頭をなでて、

「うまく、やった。探偵小僧氏。汝、賞讃さるべし」と、偉らそうなことを言いすてて、あやか夫人の遺骸の前にひざまずいた。

あやか夫人の手をとって、その死顔を数分間もみつめていたが、顔をあげて、誰にともなく、

「バカだったよ。死ぬ必要はなかったのだ。待合のオカミや女中ごときが現れたところで、それが何物でもないではないか。そんな証拠を吹きとばすぐらい、それぐらいの智恵をオレに信じてくれてもよかったじゃないか。はやまったことをしてくれたよ。今となっては、もはや、仕方がない。自殺は、これ、犯人の、また、ひとつの告白なり、か。よろしい、愛するものへの情誼により、良人ピカ一氏も、つきあって告白致すであろう。アーメン」

ピカ一はあやか夫人の手をおしいただき、長く長く、くちづけした。あまりに長い時間であった。