Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふたつのみち

二つの途

豊島 与志雄

Lisez 二つの途 (ふたつのみち) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 102 caractères · 104 écrans

Aozora Bunko

七

と木下は云った。

看護婦と信子とは黙って眼を見合った。

「なあに、」と啓介は落付いた声で答えた、「起き上れそうな気がしたので、やってみると、すっかり失敗ってしまった。」

七

看護婦の尾野高子は、現金な看護婦だと啓介が云ったほど、忠実に己の務めを尽した。いつどんな変化が患者に起るかも知れないと、彼女は気遣った。

啓介は初め、感性感冒に罹った。次で気管支加答児と肺炎とを併発した。熱が下っても回復期が長かった。その間を待ちきれないで、まだラッセルが残ってるうちに、彼は無理をして起き上った。或る日外出して雨に濡れた。そして再び高熱に襲われた。床に就いた時、腹部に拇指大の塊りが出来ていた。盲腸炎の疑いがあったが、やがてその疑いが晴れると、病原が不明になった。然し間もなくその塊りは無くなった。然しその時には、肺炎の方がだいぶ進んでいた。――この頃に、尾野高子は看護にやって来た。――ひどい血痰と高熱とが一週間余り続いた。心臓が次第に弱ってきた。熱が三十八度以下になっても、脈搏は百十位の所を上下した。彼は病院にはいることを承知しなかった。

高子は、啓介と信子と木下と三人の間に、次第に円滑さが失われてゆくのを見た。