Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lisez 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 203 094 caractères · 411 écrans

Aozora Bunko

その信者たちの発議で、切支丹の伴天連をたのみ、狼退治の祈祷をして貰おうというのだ。

おいよ 切支丹の教えの尊いことも、その伴天連のありがたいことも、かねて聴いていましたが……。(考えて。)おまえもそれに同意なさるのでござりますか。

弥三郎 さあ、同意というでもないが、押切って反対もしない積りだ。神の力を頼むものは頼むがよい。人間の力をたのむ者は頼むがよい。どちらにしても、その狼を退治して、諸人の難儀を救うことが出来れば好いのだ。併しおれは武士の果で、今も狩人を商売にしているのだから、弓や鉄砲で働くのほかはあるまいよ。なにしろ、どんな相談があるか、これから直ぐに行ってみよう。(お妙に。)これ、履物を出してくれ。

お妙 はい。

(お妙は奥に入る。おいよは押入れをあけて袖無し羽織を取出し、弥三郎に着せる。お妙は藁草履を持ち来りて踏み段に直せば、弥三郎は草履を穿いて出る。風の音。)

弥三郎 山ふところは暮れるが早い。もう薄暗くなって来た。おれには構わずに、みんな夕飯を食ってしまえ。

(弥三郎は下のかたへ去る。おいよは門口まで送って出て、あとを見送る。風の音。舞台は次第に薄暗くなる。