Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lisez 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 203 094 caractères · 411 écrans

Aozora Bunko

それとも何かほかにお心当たりのことはなかったでしょうか。」

四人のうちでは一番の年長で、容貌もまた一番よくない古屋為子が、最も年若で最も容貌の美しい児島亀江と、一緒に湯風呂のなかに沈んだのは、一種の嫉妬か或いは同性の愛か、そういう点について警察でも疑いを挟んでいるらしかった。しかし遠泉君は実際なんにも知らなかった。

「さあ、それはなんとも御返事が出来ませんね。隣り合っているとはいうものの、なにしろおとといの晩から初めて懇意になったんですから、あの人達の身の上にどんな秘密があるのか、まるで知りません。」

「そうですか。」と、巡査は失望したようにうなずいた。「しかし警察の方では偶然の出来事や過失とは認めていないのです。もしこの後にも何かお心付きのことがありましたら御報告を願います。」

「承知しました。」

巡査に別れて、遠泉君は自分の座敷へ戻ったが、児島亀江の死――それは確かに一種の疑問であった。相手が若い女達であるだけに、それからそれへといろいろの想像が湧いて出た。田宮がその前夜に見たという女の首のことがまた思い出された。

四人連れのひとりは死ぬ、ひとりはどっと寝ているので、あとに残った元子と柳子のふたりは途方に暮れたような蒼い顔をして涙ぐんでいるのも惨らしかった。