Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lisez 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 203 094 caractères · 411 écrans

Aozora Bunko

蛇は弁天様の使わしめだ。

嫗 そう云いながら、お前さんだって泣いているじゃあないか。

翁 さっきから泣くまいと一生懸命にこらえているのに、おまえがそばからいろいろな愚痴を云うので、おれも我慢が出来なくなって来たのだ。

嫗 やせ我慢をしないで、泣きたいだけ泣いた方がいい。子を取られて泣く親のなみだが、神様のお目にとまって、思いもよらぬ御救いがないとも限らないから……。

翁 なんの、神様も仏様もあったものじゃあない。あてにもならないことをあてにしているうちに、時は猶予なくたってゆく。酉の刻にはもう半もあるまいよ。

(翁はうつむきて嘆息す。嫗も泣く。奥の簾をかかげて娘いず。)

娘 おふたりともにもう泣いてくださるな。わたしは覚悟をきめています。

嫗 おお、娘……。(走り寄って娘を抱く。)おまえの覚悟は決まっても、わたし達の覚悟は容易にきまるものじゃあない。どうしても怖ろしい婿は来るかねえ。

娘 酉の刻の鐘を合図に、きっと来ると云いました。

翁 その鐘もやがて鳴るであろう。

嫗 お前は一体なぜそんな約束をしたのだ。蛇が蛙を呑むのはあたりまえのことだから、構わずに打っちゃっておけばいいのに……。