Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lisez 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 203 094 caractères · 411 écrans
その火に映った侍は三十五六の小肥りの男で、諸籠手の上に朽葉色の直垂を着て、兵庫鎖の太刀を長く横たえていた。
こっちで彼の顔を見さだめるよりも、相手の眼は捷かった。侍は松明をかざしながら馬上で声をかけた。
「姫ではおわさぬか。おお、采女もお供か。」
それはやはり武蔵守の家来で、去年の河原いくさには足軽大将をうけまわったのを誇りとしている荏原権右衛門であった。彼はすぐに鞍壺からひらりと降り立って、姫の前にうやうやしく式代した。
「権右衛門、そなたも迎いにか。」と、小坂部は煩さそうに訊いた。
「いかにもお迎い……。」と、権右衛門と姫は采女との顔を見くらべるように燃える松明をつき付けた。「姫上がお戻りのあとへ采女が……。又その後へわたくしが……。馬を早めて引っ返して、ようようここで追い付き申した。」
「それは大儀じゃ。」と、冷やかに言った。「館でも定めて案じていよう。わたしの行くえを探しあてたら、早う戻って皆々にも伝えてくりゃれ。」
「はっ。しかしこうしてお迎いにまいりしからは、道中の御警固つかまつりませいでは……。」
「いや、わたしの道連れは采女一人でよい。そなたは騎馬じゃ。