Classiques japonais avec furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lisez 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 203 094 caractères · 411 écrans
お身もそれを聞き届けた。その口の乾かぬうちに、姫を捉えようとする、采女を打ち果たそうとする。その難儀を逃げ隠れしようとした娘がなんの不孝……。娘の不孝を責むるよりも、まずその親の無慈悲を悔いられてはどうじゃ。いや、それも今さら言うまい。きょうか明日かに亡ぶるお身達と、そのようなことを言い争うても詮ないことじゃ。まことを言えば、お身たちは蜘蛛の巣にかかった蝶や蜻蛉も同じことで、こうなり果つるはしょせん逃がれぬ運と諦められい。われらはお身達を殺そうとこそすれ、決して救おうとは思わぬ。が、今はわれらの女王と崇むる小坂部殿のお指図じゃで、よんどころなしに今夜ここまで出向いてまいった。お身たちはいかに藻掻いても狂うても、しょせん助からぬ運命じゃで、今夜のうちにここで潔よく自滅せられい。それが小坂部殿の申し伝えじゃ。なんと合点せられたか。」
「なに、師直に自滅せよと……。小坂部が確かに申したか。」と、師直は憤怒の声を顫わせながら哮った。
「そうじゃ。」と、男はしずかにうなずいた。「お身たちがこうなったもわれらの呪いじゃ。どのような醜い死に恥を晒そうとも……いや、その死にざまの浅ましく見苦しいほど、われらは手を打って喜ぶのじゃが、女王にはまだ幾分か人間のなさけがあるので、一旦見捨てた親にも格別の憐れみを加えて、せめては死に