Classiques japonais avec furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lisez 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 203 094 caractères · 411 écrans
高田 何がそんなに怖ろしいのです。
李中行 いや、まあ、皆んな聴いてくれ。こうなったら正直に打明けるが、このあいだの晩、おれが青蛙神に祈ったときに、どうぞここ一月のうちに八千両の金をわたくしにお授け下さいと……。
中二 八千両……。
李中行 そうだ、八千両……。実は一万両と云いたかったのだが、それではあんまり慾が深過ぎるかと遠慮して、八千両と祈ったのだが……。そうすると、どうだ。(恐怖に身をふるわせる。)それから五日目の今日になって、八千両の半分――四千両が不意に授かるようになった。併しその四千両は……大事な娘の命と引換えになったのだ。
(聴いている三人も思わず顔を見あわせる。)
李中行 ああ、考えても怖ろしい。そこで、残りの四千両――それを授けられる時には、又ひとりの生贄を取られることになるだろう。いや、それに相違ないのだ。(更に身を顫わせる。)さあ、今度はだれの番だ……。誰の番だ……。
(三人も一種の恐怖に襲われたように黙っている。下のかたより會徳を先に村の男村の女出で、窓の外より内を窺う。)
李中行 (いよいよ亢奮して。)さあ、今度は誰だ……。誰だ……。