Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えせものがたり
似而非物語
山本 周五郎
Lisez 似而非物語 (えせものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 31 817 caractères · 64 écrans
聞いているうちに非常な感銘を受けたらしかった。顔面が硬ばり、眼が異様に光りだした。そして、杢助の言葉が終ったとたんいきなり庭へとびおりた。杢助は吃驚した、まるではじかれたようにとびだしたので、なにか乱暴なことでも始めるのかと思った。しかしそうではなかった。庭へとびおりた二之木は、暗い地面の上へ土下座をし、地面に両手をついて、涙のこぼれそうな眼でこちらを見あげた。
「有難きただいまのお言葉」
二之木は震え声で云った。
「牝鶏と娘どもに仮託した御教示、まさしく奥義の御伝授とうけたまわりました、流儀の秘伝、まさしく会得つかまつりました。かたじけのうござります」
そして彼は泣きだした。もちろん嬉し泣きであった。逞しい肩に波をうたせてやや暫く男泣きに泣いた。杢助は煙草をふかすのも忘れて、あっけにとられてそれを眺めていた。
――わけが知れねえ。
杢助は心のなかで思った。おらが牝鶏と娘をどうしたっていうだ、なにが御伝授だ、つまらねえ、ほんにわけが知れねえ。
二之木二郎は草庵を去った。秘伝を会得したから去ったのであった。この出来事は他の四人を感奮させた、想像以上に感奮させたようであった。