Classiques japonais avec furigana
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Lisez 光は影を (ひかりはかげを) de 岸田 国士 (きしだくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 138 262 caractères · 276 écrans
こちはな、京野君、村の旧家で、名望サクサクたる大地主、もつとも今じや土地の方はわしんとこといくらも変りはねえが、とにかく名望だけは保つてござる長久保家の本家の当主だ」
二人は、いずれもこの紹介には少し辟易のていで苦笑を交わした。
が、すぐそのあとで、その長久保某は、百瀬秀人の耳に小声で囁いた。
「うん、そうか、それに違いねえ」
と、百瀬は頓狂に叫んだ――
「おい、京野、おめえのことをわしはいつかこのひとの家で話したことがあるだ。このひとの細君がよ、すると驚いてさ、京野等志つていうひとなら、東京で知合いだつたつていうじやねえか。細君は、元の姓は、なんだつけ……」
「味岡……」
と、長久保は言つた。
「うむ、味岡、小萩さつていうだ」
「ご存じかね?」
長久保は、やつと親しみを見せて、たずねた。
「えゝ、味岡小萩さんなら、僕、知つています。あなたの、それが、今、奥さんですか。へえ、そういえば、ずいぶん昔のことですよ、偶然、僕が家庭教師に行つてる家と、味岡さんのお宅とが、つい近所だつたもんですから……」
なにをどこまでも言うつもりなのか、京野等志は、こゝまでついぺらぺらと言つて、急に口をつぐんだ。