Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はんのすけしゅうげん
半之助祝言
山本 周五郎
Lisez 半之助祝言 (はんのすけしゅうげん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 997 caractères · 44 écrans
半之助はひどくぶきように、一椀の茶を啜り、菓子を摘みながら、夫人の姿をそれとなく、だが相当大胆にちらちらと眺めまわした。
「なにをそんなにごらんなさるの、わたくしの顔になにか付いていました?」
「いや、その、私は」半之助はちょっと吃ったが、
「――実はいま御城代のことを考えていたんです」
「わたくしの顔と主人となにか」
「いいえこうなんです、うちあけて申しますけれども」彼は声を低くした。
「――御城代についてですね、私はこれまでずいぶんばかげた蔭口を聞きました、もちろんお顔のことなんですが、失礼にもおっとせいなどという、実にたわけた」
「似ていますわ」夫人は声を忍ばせて笑いながら、
「――絵で見るのとそっくりでしょう」
「貴女はふざけていらっしゃるんですか、それとも」半之助は屹となって云った。
「――それともまじめにそんなことを仰しゃるんですか」
急に半之助の態度が変ったので、夫人はちょっと吃驚して戸惑ったように彼を見た。
「私は反対です」彼はきっぱりと云った。
「――反対どころではない、私は御城代ほどの美男をこれまで見たことがありません」
「美男ですって?」
「それも天下第一級のです」