Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans
彼はとうとう、泣き出し相になって、何か訳の分らぬ事をわめきながら、出口の方へ走って行った。
文代の折角の思いつきも、かくして、無駄に終ったのであろうか。
如何にも、場内には、信号の分るものは、外に一人もいなかった。だが、場外に、国技館目がけて疾走する自動車の中に、我が明智小五郎がいた。彼は当然、走る車の窓から、あの巨大な丸屋根に輝くイルミネーションを見つめていたのだ。
その時、彼等の自動車はまだ浜町辺にさしかかったばかりであったが、国技館の丸屋根はどんな遠方からでも見通しだ。
真黒な大空に、ベラ棒に大きな、支那人の帽子みたいな、丸屋根を縁どって、輻射状の、異様な星がつらなっていた。
アア、何という物凄い光景であったか。その星共が、パチパチ、パチパチと、ある拍子を取って、一斉に瞬いたのだ。S・O・S……S・O・S……と。
明智は、直にその恐ろしい意味を悟った。暗の大空に、文代さんの、のたうち廻る、巨大な幻影が明滅した。
「運転手君、フル・スピードだ。僕が責任を持つ。四十哩、五十哩、出せるだけ出してくれ」
明智は、殆ど肉体的苦痛を感じて、叫んだ。
丁度その頃、国技館の事務所では、この興行を預かる、支配人のS氏が次々とかかって来る、不思議な電話に、面くらっていた。