Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans
館内から、長い梯子が持出され、二人の争っている、棚の様な個所へかけられた。
二三人の仕事師が、先を争って、梯子を駆け上り、まだとっ組み合っている二人を、とり押えた。
一人はいうまでもなく、さっきの勇敢な若者、今一人は賊の筈だ。ところが、奇妙なことに、その賊の方が、
「馬鹿野郎、馬鹿野郎」
と、さも腹立たしげに、若者を罵っているではないか。
若者の方はと見ると、さっきの威勢はどこへやら、グッタリとなって、相手の罵るに任せている。
「オイ、どうしたんだ」
背中をこづいて、尋ねて見ると、若者は、がっかりした調子で、
「その人は、賊じゃないんだ。味方の明智さんだ。それが今やっと分ったのだ」
とうめいた。
成程、そういわれて見れば、さっきまで、館内で、追手の先頭に立っていた、明智探偵に相違ない。
「賊はまだ屋根の上にいる筈だ、早く捕らえてくれ給え」
明智は顔をしかめながら、指図した。
「この男が、飛んだ思い違いをしたものだから、僕の計画が滅茶滅茶になってしまった」
明智が馬鹿野郎、馬鹿野郎と罵ったのも無理ではない。折角、彼が単身、敵の背後を襲って、屋根の上で賊を引捕えようとした計画が、すっかり齟齬してしまったのだ。