Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

若しや、そこに、何かしら恐ろしい秘密が伏在するのではあるまいか。

取りとめもない妄想と、恐怖の内に夜が明けた。

細い隙間から、棺内に忍び込む薄明り。やがて、人の足音、話し声。

倭文子は、アアまだこの世にいたのかと、ハッと気を引しめた。身動きをしてはいけない。音を立ててはならぬ。息をするにも気を兼ね、我が心臓の鼓動にさえビクビクした。

それから出棺までの数時間が、彼女にとって、どれ程の地獄であったか。まるで長い長い一生の様にさえ感じられた。

だが、やっと、読経が済んで、出棺の時刻が来た。棺を運ぶ為に、人夫の足音が近づいて、ヨッコラショと、倭文子達の体ははげしく揺れた。

その拍子に、アアどうしよう。茂少年が目を覚ましたのだ。

茂に声を立てられたら、何もかもおしまいだと思うと、倭文子はゾッとした。

「茂ちゃん、母さまはここにいますよ。怖くはないのよ。怖くはないのよ」

口を利く訳には行かぬので、両手を伸ばして、下の方にいる我子の頬を軽く叩き、その心を伝えた。

丁度その時、棺がまた一つ大きくゆれたかと思うと、人夫のドラ声が、

「こいつあ、重い仏様だぞ」

と力むのが、聞こえて来た。