Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

茂少年

だが、彼は短刀をふところにしながら、それを使用する勇気はなかった。結局弱者の道を選んで、自分自身を亡ぼす外に、何の手だてもなかったのだ。

水死人騒ぎの翌日、三谷青年と柳倭文子とは、このいまわしい土地をあとにして、東京へと汽車に乗った。

彼等は少しも知らなかったけれど、同じ列車の別の箱に、合トンビの襟を立て、鳥打帽をまぶかに、黒眼鏡とマスクで顔を隠した老人が乗合わせていた。唇のない男! 蛭田嶺蔵だ。アアこの怪人物は、三谷と倭文子に対して、抑そも如何なる因縁を持っていたのであろうか。

さて読者諸君、以上は物語の謂わばプロローグである。これから舞台は東京に移る。そして世にも奇怪なる犯罪事件の幕が、愈々開かれることになるのだ。

茂少年

三谷と倭文子は、東京へ帰ってからも、三日に一度は、場所を打合わせて置いて、楽しい逢う瀬を続けていた。

三谷の方は、学校を出てまだ勤め口も極まらず、親の仕送りで暮している下宿住いであったし、倭文子の方は何か打あけにくい事情があるらしく、住所さえ曖昧にしているので、お互に訪ね合うことはさし控えた。

だが、二人の情熱は、時がたつに従って、衰えるどころか、愈々濃かになって行ったので、そうした曖昧な状態を、いつまでも続けることは出来なかった。