Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans
人夫達は、先ず第一に、大小二つの死骸に驚かされた。
「ヤ、死骸だッ」
最初それを見つけた男は、頓狂な叫び声を立てて飛びのいた。
しかし、それは、本当の死骸ではなかった。例の花氷のろう人形なのだ。氷が厚かったために、中のろうがとけ切る暇がなく、形はくずれながらも、裸体人形のおもかげをとどめていた。
死骸でないと分っても、そんな不気味な代物を見た人夫達は、ひどく神経的になっていた。
「オイ、今度は本物だ。人間のお骨だ」
間もなく一人の人夫が叫んだ。
「ヤ、本物だ。本物だ」
今度こそ間違いでないことがわかった。
焼けて灰になった材木の下に、バラバラに砕けた人骨が埋まっていた。そこは、建物の内でも、最も火のはげしかった部分だから、肉も臓腑もとけてしまったとしても、不思議はなかった。
巡査が駆けつけた。
「やっぱり、犯人はここで焼け死んだのだ」
彼は警視庁にこのことを急報した。
しばらくすると、恒川警部が明智小五郎を同伴してやって来た。
「僕の思った通りだ。奴はとうとう自殺したのです」
バラバラの白骨を前にして、警部が感慨をこめていった。
「そうです。彼奴は死んだのかも知れません。