Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

確に小川と名乗る、さっきの客人だ。

半面血に染まった、断末魔の苦悶の表情。ワイシャツの胸の夥しい血のり。空を掴んだ指。

老人と二人の書生とは、棒立ちになったまま、暫くは口を利く力もなかったが、やがて、書生の一人が、面妖な顔をして、呟いた。

「おかしいぞ。犯人はどこから来て、どこへ逃げたのだろう」

室の入口のドアは、内側から鍵をかけたままである。窓は締がしてなかったけれど、軽業師ででもなければ、この高い二階の窓から、出入りすることは不可能だ。

それよりも、変なのは小川と名乗る男の行動であった。この見ず知らずの人物は、なぜ断りもなく、二階の書斎へ上って来たのか。その上、内側から、ドアに鍵までかけて、何をしていたのか。加害者は勿論、被害者の身元も、殺人の動機も、一切合切不明であった。

これが、この物語の、最初の殺人事件である。だが、何という不得要領な、不可思議千万な殺人事件であったことか。

斎藤老人は、死体には少しも手をふれず、兎も角警察に知らせることにした。

書生の一人がドアを開て、電話室へと走った。

あとに残った二人は、庭の女中達に梯子をはずさせ、窓をしめて掛金をかけ、ドアにも外から鍵をかけて、階下に引取った。