Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

何も知らぬ警官達は、お菊の言葉を一笑に附したが、その笑い声の終らぬ内に、またしても、シグマの恐ろしい唸り声が聞えて来た。

「ホラ、また吠えていますわ。アア、怖い。あいつは、まだその暗闇の中に、隠れているのではないのでしょうか」

お菊は、おびえて恒川警部にしがみついた。

「変だね、誰か念の為に、あの辺を検べて見給え」

司法主任が部下の巡査に命じた。そして、一人の巡査が、木立の中へ踏み込んで行こうとした時である。

「ワ、ワ、ワ、ワワワワワ」

と、悲鳴とも何ともつかぬ叫声がして、お菊は恒川氏の胸に顔を埋めてしまった。彼女は再び怪物を見たのだ。

「ア、塀の上だ」

巡査の声に、一同の視線が木立の斜向うの空に集まる。

いた、いた。高いコンクリートの塀の上に、蹲って、じっとこちらを見ている怪物。

半面に月を受けて、ニヤニヤと笑っている顔は、お菊の形容した通り、正しく生きた骸骨だ。

この化物が、小川の下手人だとすれば、被害者の死体を抱ていなければならないのに、怪物は身軽な一人ぽっちだ。では、死体は已にどこかへ隠してしまったのか。

だが、こいつは下手人であろうと、なかろうと、異様な面体といい、夜中他人の邸内をさまよう曲者、取押さえない訳には行かぬ。