Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ざいがくりゆう

在学理由

豊島 与志雄

Lisez 在学理由 (ざいがくりゆう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 167 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

と呼ぶ立派な息子が――あろうとは、誰にも思いがけなかったのだ。

日が暮れて、外が暗く家の中が明るくなり、更にその明暗の度が強く感ぜらるる頃になってから、どこからともなく集ってくる連中だ。始終一緒になる常連の間でも、誰がどこに住んでるか、どんな生活をしているか、ばかりでなく、お互の名前さえ、よくは分らず、濛とした酒気と煙草の煙のなかで、ただお互の顔付だけが符牒だ。その、彼の符牒に、あの若者の息子はどうもつかなかった。

――本当の息子だろうか?

人相といい言葉の調子といい、たしかに本当の息子らしかった。

「それにしても、ばかに早く子供を拵えたもんだな。」

首を傾げて、看板書きの画工が、さも感心したように大声で云ったので、連れの浮浪青年が笑いだした。

「何もおかしいこたあねえ。」

笑い声におっかぶせて、これも常連の、印半纒の男が、自信ある調子で云いだした。

「誰だって、遅かれ早かれ、一度は親父になるんだ。俺だって親父だよ。もっとも、まだちっちゃな奴の親父だが……。」

浮浪青年はまた笑った。

「おやじに……おやじに……おやじか……。」

親父ということが、どうして急に可笑しなものとなったのか、誰にも分りはしない。