Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Lisez 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 314 caractères · 398 écrans

Aozora Bunko

お滝がお世辞たらたらで出て行くと、まもなく与八が帰って来ました。

お松の病気はその翌日になっても癒りません。与八は大へんな心配で、枕許を去らずに看病しているところへお滝がやって来て、

「どうだいお松、ちっとはいいかい。医者に診ておもらいよ、長者町の道庵さんに診ておもらい。なあに、道庵先生なら心配はないよ、あの先生の口からお前の身の上がばれるなんということはないよ。与八さん、御苦労だが道庵さんへ行っておいで。この前の大通りを、それ、大きな油屋があるでしょう、あの辺が相生町というのだから、その相生町の角を真直ぐに向うへ行ってごらん、小笠原様のお邸がある、そのお邸の横の方が長者町だからね、あの辺へ行って道庵先生と聞けば子供でも知っているのだよ……それから、あの先生にお頼み申すにはね、秘訣があるのだよ、その秘訣を知らないと先生は来てくれないからね」

お滝は手ぶり口ぶり忙がしく与八に説いて聞かせる。

「その秘訣というのはね、貧乏人から参りましたが急病で難渋しております、どうか先生に診ていただきたいのでございますと、こう言うんだよ。貧乏人と言わないといけないよ、金持から来たようなふうをすると先生は決して来てくれない、いいかね、貧乏人から来ましたと言うんだよ」