Classiques japonais avec furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lisez 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 349 705 caractères · 678 écrans
そのうちに、大きな藁人形が二つ、群集の中に、こちらへ向けて、高く押立てられました。さながら弥次郎兵衛のように竹の大串にさして、突立てたのを、下に薪を積みはじめたところを見ると、この藁人形に火焙りの刑を施さんとするものらしい。
その挙動によって察すると、彼等はマドロスを捕えて焼き殺すことに、何か失敗があったその腹癒せか、そうでなければ、首尾よくマドロスに私刑を加え終って後、こうして駒井の番所近く、第二の示威として藁人形を焼き立てようとするものらしい。
二人で、じっと見ていると、彼等は皆相当に昂奮しきっているようです。その昂奮に油をそそぐように、立廻っているのは、幾多のバクチ打と、ならず者の類と見える。
やがて、藁人形の下に積み重ねた薪に火をつけると、火は勢いよく燃え上る。それと同時に、ドッと喚声が湧き上りました。
この騒ぎでは多分、駒井甚三郎も目をさましたでしょう。兵部の娘のベッドの枕も、動かされたに相違ない。
こちらの番所の中の人は、挙げてみんな、窓越しに、じっとこれを眺めているに相違ない。そこが、群集のつけめで、第一の藁人形にこうして火をつけると、第二の藁人形に火をつけて置いて、以前にも増した喚声を上げる。