Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lisez 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 262 120 caractères · 516 écrans
「アイアイ、左様でごさい」
見物の中からこんなことを言い出すものがあったから、見物人一同が哄と吹き出しました。吹き出さないのは当人の米友一人だけです。
「冗談じゃねえ、芸をやる時はこれでも俺らは真剣なんだ、冷かしたり、交っ返したりすると芸に身が入らねえや、芸に身が入らなければ、見ている奴も面白くねえし、やっている当人も面白くねえや、どっちも面白くねえものをやって見せるも詰らねえから、俺らは宙乗りをやめて帰るよ」
「なるほど、理窟だ、怒らねえでやってくんな、こっちも真剣で見ているんだからな。それ兄さん、お志だよ」
見物の中からこう言って、バラリと銭を投げ込んだものがありました。
「有難え」
と言って米友は、足許に転がっていた蕎麦の笊に柄をすげたようなものを、左の手で拾い取ると見れば、その投げた銭をらくにその中へ受け入れて、右の手ではやっぱり梯子を押えています。投げ銭を受けることは本来この男の本芸であるが、今はホンの前芸にやって見せた手際、その鮮かさが、見物の気に入ったものらしく、
「兄さん、怒っちゃいけねえ、それ、しっかり頼むよ」
つづいてバラリと投げる銭の音。