Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lisez 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 262 120 caractères · 516 écrans
「チェッ」
米友は舌打ちをして忌々しがりました。さてどっちへ行ってみたらよかろう。たしかに橋を渡って真直ぐには行かないだろうと思う理由があります。それは、つい目の先に鈴木の辻番があって、それを通り越してもまたじきに関播磨守の辻番に突き当ります。だから、夜分なんの用事かこうして出歩く人が、ことさらに関所の多いところをえらんで通るはずはなかろうと思ったからであります。
それで米友は、左手の相生町の角を真直ぐに行きました。気のせいか、今夜の辻番はいつもと変って、なんとなく穏かでないらしく、相生町四丁目の向う角にある本多の辻番などは、何か声高に番人の話が聞えます。それでもまあ無事に辻番の眼を潜って、相生町の三丁目から二丁目へかかったけれど、いずれへ向いても人らしいものの影を見ることはできません。
「チェッ」
二丁目の河岸を通りかかると、そこに一軒の大きな構えの家の表だけがあいていました。そして、その前に提灯を持った人が二三人出入りをしているので、米友は立ちどまって、はっと気がつきました。この家は箱惣の家であります。前に自分が留守をしていたことのある家、そこで浪人を追い払ったことのある家、またこの間はそこの井戸で、子供を水中から救い出したことの覚えのあるその家だけが物穏かでないから、米友はギックリと立ちどまって、暫く