Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しょうしょうしげもとのはは

少将滋幹の母

谷崎 潤一郎

Lisez 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 83 234 caractères · 160 écrans

Aozora Bunko

そして、それには外に此れと云う目的があったのではなかったけれども、そっちの道を下って行けば西坂本へ出るのであるから、母の住む里はどんな所か、それとなく様子を探っておきたい、ぐらいなことは念頭にない訳でもなかった。

滋幹が坂路へかゝったのは、日がよう/\西に傾きかけた頃で、水呑峠の地蔵堂のあたりを過ぎ、音羽の滝のひゝきを耳にしながら麓に着いた時分には、いつしか空になまめかしいおぼろ月が輝き初めていた。かの壬生忠岑の歌に、

おちたぎつ滝の水上年つもり

老いにけらしな黒きすぢなし

とあるのは、此の滝を詠んだのであると云うが、滝の末が音羽川と云うひとすじの流れになっており、道はその川の岸に沿うて下っているので、何心なく辿って行くと、低い籬を結いめぐらした構えの向うに、前栽の木立ちを透かして別荘風の家の見える所へ出た。滋幹は、垣根が朽ちて倒れているのを跨ぎ越え、構えの内へ二た足三足這入って行って、暫くあたりを窺っていたが、森閑として人の住んでいそうなけはいもない。東の方には比叡の峰つゞきの丘が聳え、西の方がだら/\と緩やかな斜面になっている地勢を占めて、池を掘り、石を据え、築山を作り、遣り水を引きなどした庭の趣は、むかしはどんなにか結構を極めていたのであろうが、今は凄じく荒れ果てゝ、地面には雑草が生いしげり、木々の幹には