Classiques japonais avec furigana
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しょうしょうしげもとのはは
少将滋幹の母
谷崎 潤一郎
Lisez 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 83 234 caractères · 160 écrans
と云うような所へ落ちる。それから又問い詰めて行くと、「文の遣り取りだけはした」となり、「一度逢ったことがある」となり、「実は五六度、………」となり、しまいには何も彼も白状する。そして時平が驚くことは、当時世間に評判されている女たちの中で、平中が一往渡りをつけていない者は殆ど一人もないのであった。で、今夜も時平に詰め寄られると、次第に云うことがしどろもどろに、口の先では否定しながら顔つきでは肯定し始めたのであったが、時平が猶も追究すると、
「実は何でございます、あの北の方に仕えておりました女房に、少々ばかり昵懇の者がございましてな」
と、おもむろに口を割り出した。
「ふん、ふん」
「その者から聞いたのでございますが、あの北の方は並びない器量のお人で、年はようよう二十歳ばかりでいらっしゃる。………」
「ふん、ふん、それくらいは私も聞いていますよ」
「ところが、何分大納言殿はあの通りの老人であられますのでな。………あの方のお歳はいくつになられますか、まあお見受けしたところ、もう七十をずうっと越しておられるように存ぜられますが、………」
「左様、七十七か八、くらいになられはしないかな」