Classiques japonais avec furigana
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やまのじんせい
山の人生
柳田 国男
Lisez 山の人生 (やまのじんせい) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 116 022 caractères · 226 écrans
二三 山男にも人に近づかんとする者あること
翌夜は忽ち羚羊二疋を両の手に下げて来り、升山の前に置く。其意を解し、短刀もて皮を剥ぎて与ふれば、山男は頻りに口を開き打笑ひ、悦びて帰りぬ。すでにして又来たるを見れば、さきの皮一枚は、藤を以て繋ぎ合せて背に負ひ、他の一枚は腰に巻き付けたり。されど生皮を其のまゝ着たる故、乾くにつれて縮みより硬ばりたり。皆々打笑ひ、熊の皮を取り、十文字にさす竹入れ、小屋の軒に下げて見せ、且つ山刀一梃を与へて帰らしむ。其後数日来ずと謂へり」(以上)。これなどは秘密を誓約した人々の抜け荷だから、若干の懸値があっても吟味をすることが困難である。
二三 山男にも人に近づかんとする者あること
山人も南九州の山に住む者が、特に無害でありまた人なつこかったように思われる。山中をさまようて危害の身に及ぶに心づかず、しばしば里の人の仮小屋を訪問して、それほどまでに怖れ嫌われていることを知らなかったという例は、主として霧島連峯中の山人の特質であった。なお同じ方面の出来事として、水野葉舟君からまた次のような話も教えられた。
日向南那珂郡の人身上千蔵君曰く、同君の祖父某、四十年ばかり以前に、山に入って不思議な老人に行逢うたことがある。