Classiques japonais avec furigana
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やまのじんせい
山の人生
柳田 国男
Lisez 山の人生 (やまのじんせい) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 116 022 caractères · 226 écrans
一二 大和尚に化けて廻国せし狸のこと
帰りにその前を通ると地蔵がきな臭いような顔をしたので、さてはこやつが喋ったかと、鼻をねじたといって鼻曲り地蔵がある。これは紛れもなく海神の宮の口女であり、また猿の肝の昔話の竜宮の海月であって、こういう者が出てこないと、やはり話にはなりにくかったのである。だから眼前のただ一つの例を執って、不思議を説明しようとするのは誤った方法である。近くは天明の初年に、上州伊香保の木樵、海尊に伝授を受けたと称して、下駄灸という療治を行ったことが、『翁草』の巻百三十五にも見えている。彼も福仙と同じく義経の旗持ちであったのが、この山に入って自分もまた地仙となったという。下駄だの灸だのという近代生活にまで、なお昔の奥浄瑠璃の年久しい影響が、痕を留めているのはなつかしいと思う。
一二 大和尚に化けて廻国せし狸のこと
話が山から出てきたついでに、おかしな先例を今少し列挙して見たい。関東各府県の村の旧家には、狐や狸の書いた書画というものがおりおり伝わり、これに伴うて必ず不思議な話が残っている。たいていは旅の僧侶に化けて、その土地にしばらく止まっていたというのである。どうしてその僧の狸であることを知ったかといえば、後日少しくかけ離れた里で、狗に噛殺されたという話だからというものと、その僧が滞在をしている間、食事と入浴に人のいるのをひどく