Classiques japonais avec furigana
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やまのじんせい
山の人生
柳田 国男
Lisez 山の人生 (やまのじんせい) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 116 022 caractères · 226 écrans
二五 米の飯をむやみに欲しがること
家も無く従類眷属とても無く、常に住む処更に知る者無し。賃銭を与ふれども取らず、只酒を好みて与ふれば悦びつゝ飲めり。物ごし更に分らざれば、唖を教ふる如くするに、その覚り得ること至つて早し、始も知らず終も知らず、丈の高さ六尺より低きは無し。山気の化して人の形と成りたるなりと謂ふ説あり。昔同国の白倉村に、又蔵と云ふ者あり。家に病人ありて、医者を喚びに行くとて、谷に踏みはづして落ち入りけるが樹の根にて足を痛め歩むこと能はず、谷の底に居たりしを、山男何処よりとも無く出で来りて又蔵を負ひ、屏風を立てたるが如き処を安々と登りて、医師の門口まで来りて掻き消すが如くに失せたり。又蔵は嬉しさの余りに之に謝せんとて竹筒に酒を入れてかの谷に至るに、山男二人まで出でて其酒を飲み、大いに悦びて去りしとぞ。此事古老の言ひ伝へて、今に彼地にては知る人多し」(以上)。又蔵が医者の家を訪れることを知って、その門口まで送ってくれたという点だけが、特に信用しにくいように思うけれども、酒を礼にしたら悦んだということはありそうな話であった。
二五 米の飯をむやみに欲しがること
山人が飯を欲しがるという話ならば、他の諸国においてもしばしば耳にするところである。