Classiques japonais avec furigana
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やまのじんせい
山の人生
柳田 国男
Lisez 山の人生 (やまのじんせい) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 116 022 caractères · 226 écrans
新左衛門のすくみ居たるを、小屋の外より箕の如き手を出して攫み上げ、遙かに投げ飛ばしたりと思へば気絶す。翌朝女房より村長に訴へて谷々を捜せしに、谷二つ隔てゝ北の方に新左の雪中に倒れたるを見付けたり。其後生き返り殺生は止めたれど、三年ばかりにして死したりと云ふ。深山の奇測り難し。」
次も同じく越後の事であるが、これは会津八一氏の話を聴いたのである。妙高山の谷には硫黄の多く産する処があるが、天狗の所有なりとして近頃までも採りに行く者は無かった。ところが先年中頸城郡板倉村大字横町の何右衛門とかいう者、これに眼を着けて十数名の人夫を引率し、この山に入って谷間に小屋を掛け日中は硫黄を採取し夜はこの小屋に集まって寝た。或る夜深更に容易ならぬ物音がして小屋も倒れんばかりに震動したので、何右衛門を始め人夫一同も眼をさまし先ず寒いから火を焚こうとしていると、戸口の方から顔は赤く白い衣物で背の高い人が入って来た。皆の者は怖しさに片隅に押しかたまり、蒲団を被って様子を伺っていると、かの者はずかずかと板の間に上って来たようであったがその後の事はわからず。夜の明けるのを待って見れば、かの何右衛門だけは首を後向きに捻じ切られてつめたくなっていたと謂う。