Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やまのじんせい
山の人生
柳田 国男
Lisez 山の人生 (やまのじんせい) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 116 022 caractères · 226 écrans
かつては天狗に関する古来の文献を、集めて比較しようとした人がおりおりあったがこれは失望せねばならぬ労作であった。資料を古く弘く求めてみればみるほど輪廓は次第に茫漠となるのは、最初から名称以外にたくさんの一致がなかった結果である。例えば天狗とは一体どんなものかと聞いてみるとき、今日誰しも答えるのは鼻のむやみに高いことであるが、これとても狩野古方眼が始めて夢想したという説もあって、中古には緋の衣に羽団扇などを持った鼻高様は想像することができなかったのである。そのうえに何々坊の輩下という天狗だけは、口が嘴になり鼻は穴だけがその左右についている。同じ一類で一方は人のごとく、他方は翼があって鳥に手足を加えたもののごとくなることは、ほとんとありえざる話であるが、人は単に変形自在をもってこれを説明して、しからば本来の面目如何という点を、考えずに済ましていたのである。それなら実際の行動の上に、何か古今を一貫した特色でもあるかというと、中世の天狗はふらりときて人に憑くこと野狐のごとく、或いは左道の家に祭られて人を害するは、近世の犬神オサキのごとくであったが、今は絶えてその類の非難を伝えない。