Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やまをおもう

山を思う

石川 欣一

Lisez 山を思う (やまをおもう) de 石川 欣一 (いしかわきんいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 79 814 caractères · 157 écrans

Aozora Bunko

一寸の麦、三寸の菜種、そのような畑のへりを流れる小川に、モロコやタナゴがピチピチとして、小さなウキの動きにあわせると、仕掛がこまかいから、ピリピリ、存外強く手に来て、よしんば十匹や廿匹でもうれしくなって了う。

昔のことを考えると、仙台の春。あのあたりは先ず五月にならねば春とはいえない位だが、郊外の丘に雪がとけて、そこにもろもろの草の芽が萠え出す。土はしめっていて空には雲雀の声。いちどきに花が咲く。カッコウの鳴きかわす声が聞える森には、いつの間にかかたくりの花がちらほらする。東京で生れて東京で大きくなった僕が、本当に春の呼吸を感じたのは、高等学校の三年間であった。

昔のことはとにかく、今では、至極温暖な関西に住み、物を見る目と感じる心をさえ持っていれば、冬でも緑の草にめぐまれた生活をしているのだが、それにしても、何かしらやはり特に心を打たれる春の現象はある。吉野川のおほいぬふぐりがその一つだし、今晩帰宅して、猫額大の畑にある高菜に、こまかい蕾がいっぱいついていると聞いたのも、その一つである。

菜といえば、大阪近郊の菜種――菜の花の盛りの頃は、電車の中にまでその香がたゞよい、朝の通勤に思わずウトウトしたくなったりすることがある。